2022.6/30(木)
【展覧会レポート:後編】長場雄個展「PINK NUDE」が開催中です
written byムラマツ ヨウヘイ
どうもどうも、信州住宅業界の梁山泊こと「ライフィット・クリエイターズ・ハウス」のムラマツです。
名代のクリエイター長場雄氏の個展、代官山ルーフミュージアムで開催中「PINK NUDE」のレポート後編です!
レポート前編はこちら
今回は総展示数25点の作品の中から選りすぐりの数点をご紹介いたします。
あと、恐らく自分語りが激しくなりそうです。
まずはこちら!
「The Last Supper」
その名の通り、ダヴィンチ「最後の晩餐」をモチーフにした巨大な作品です。
なんと300号相当のサイズだそうです(私が初めて一人暮らしを始めた部屋より大きいです)
構図は最後の晩餐ですが、描かれているのは神や使徒ではなく、
我々ロックンロールキッズたちの憧れ「ジョン・レノン」や「デヴィッド・ボウイ」、「シド・ヴィシャス」など
まぁ、ある意味「神」が描かれております。
長場氏が若かりし頃に影響を受けたヒーローたちが集合しているそうです。
ちなみにこちらの作品はTシャツになっており、会場で購入できます。
私、まんまと買ってしまいました。
ルーフミュージアムのオンラインショップからも購入できるそうですよ!
お次はこちらの作品です。
「Quadrophenia」
1979年公開のイギリス映画「Quadrophenia 邦題:さらば青春の光 (芸人じゃないですよ)」の主人公ジミーですね。
こちらの映画は思いっきり掻い摘んで端的に言えば、悪ガキが悪いことをたくさんして痛い目にあって「やんなっちゃったな」ってなる映画です。ファンの皆様ごめんなさい。
とはいえ、当時のイギリスの情景や、モッズ(前述の悪ガキ)のカッコよさ、何よりも音楽の素晴らしさを愉しめる素敵な映画です。
私も昔はモッズに憧れて、これでもか!というぐらい細身のスーツにM51を羽織っていた時期がありました。
作中度々登場するThe Whoというロックバンドのコピーバンドもやっていました。
モッズのアイデンティティともいえるランブレッタ(スクーター)に跨ったジミー。
どこか寂しさを感じる彼の表情は何を表しているのか。64年イギリスの閉塞感か、疎外感から生まれる破壊衝動か。
ミニマルな表現だからこそ、感じ取れるものはたくさんありますね。
お次はこちらです!
「John Lennon」
皆さんご存知、ジョン・レノンです。
エルヴィスやチャックベリーなど、アメリカのロックンロールに影響を受け、57年に「クオリーメン」というバンドを結成。
その後、「ジョニー&ザ・ムーンドッグス」→「ロング・ジョン&シルヴァー・ビートルズ」→「シルヴァー・ビートルズ」など改名を重ね、
あらゆる面で世界一のバンド「ザ・ビートルズ」が誕生します。
その功績は偉大過ぎて、ここに魅力や伝説を書き始めると長文過ぎて何のホームページかわからなくなってしまいますので割愛します。
かくいう私も、中3の夏にビートルズに出会っていなかったらデザイナーにはなっていないと思いますし、間違いなく今とは全く異なる人生を送っていたと思います。
イングランドはリヴァプールで育った労働者階級のNowhere Manが、遠く離れた日本の長野くんだり片田舎で育った少年の人生を変えるということ。
これだけでも尋常ならざる影響力ですよね。しかも死後30年経ってからという…
さて、こちらの作品ですが、ロック写真の大御所ボブ・グルーエンが撮影した有名な写真をモチーフにされております。
着用している「NEW YORK CITY」と書かれたTシャツはその辺に5ドルで売られていたお土産品だと言われています。
長場氏は予てよりジョンをモチーフにした作品を多く描いております。
先程の「The Last Supper」でも、ジョンはキリストのポジションで描かれており、その多大なる影響力がひしひしと感じられますね。
悲惨な幼少期、輝かしいビートルズ期、抗い続けたベトナム戦争反戦期、「ピース」を唱え続けた70年代ソロ期、世界が震撼した1980年12月8日。
生き様すべてが伝説になる男、ジョン・レノン。
長場氏が描くジョンはきっとこれからも生まれるでしょう。そして伝説は語り継がれます。
刮目せよ!Love & Peace!
今回の長場雄個展「PINK NUDE」ですが、1階カフェスペースにも作品が展示しているのです(↑の写真を参照)
一杯ずつ丁寧に淹れた珈琲を飲みながら作品を愉しめる空間で、この上ない素敵な時間をクリエイトしちゃいましょう!
いやしかし、やはり自分語りが多くなってしまいました。
それもそのはず長場氏が描く作品は私の趣味とマッチしすぎなのです。
「作品をもっと見せろ。ちゃんと解説しろ。というか誰だおまえ」とおっしゃる方はこちらの記事を是非お読みください!
長場雄スペシャルインタビュー
https://lurfmuseum.art/pages/yu-nagaba-mag
さいごに、気になる方はとにかく会場に行ってみてください。無料ですよ!?
かわいいから観に行こうとか、おしゃれだから観に行こうとか、ここに足を運ぶ自分がおしゃれだから観に行こうとか、動機はなんでも良いんです。
一目見て感じ取るものが「かわいい」「なんかおしゃれ」だけでも良いんです。それでも確実に感性が育まれます。
ジョンが誰かに影響を与えたように、長場氏の作品も確かに影響を与えてくれることでしょう。
御後が宜しいようで。
ムラマツヨウヘイ
長場雄
PINK NUDE
2022.6.10(Fri) – 7.24(Sun)
11:00-19:00 会期中無休